アメリカ初のギャング集団は、30年代チカーノの自動車愛好家たちが母体となって結成れた。彼らはマチズモを前面に出し、ボンバと呼ばれる改造車を所有していた。ローライダー文化の始まりである。
Kid Frostによると、ズート・スーツ・ライオット、パチーコといったグループが始まりだそうです。西海岸でアフリカン・アメリカンのギャング集団が組織され始めたのはICE-Tによれば65年WATTS暴動以降とのことです。
カリフォルニアで始まったこの文化は、全米118都市にまで広がり、本家Los Angelsはドライブバイシュ-ティングと呼ばれる車からの銃乱射や住居侵入強盗・殺人・恐喝・中学、高校の生徒に対する
麻薬密売など事件が絶えず、ギャング犯罪は深刻化しています。
ギャングスタ・ラップの歌詞にも頻繁に登場するCrips(クリップス)とBloods(ブラッズ)は西の二大ギャング集団で、Cripsはブルーをシンボルとし、構成員3万人からなる全米最大規模のギャング集団だそうで、Bloodsはレッドをシンボルとし、構成員9千人の集団で、互いに敵対している。
その他に、ラテンキンクグスというイエローをシンボルとした、全米に2万人の構成員を要する、ヒスパニック系のギャングもあり、ジャマイカからの麻薬密輸入や密売を行っているそうです。
この集団も非常に凶悪な事件を起こしていて、ロスやマイアミなど南部に多く分布しているそうです。
かつてマクドナルドにたむろし客に迷惑をかけたため入店禁止処分にされたメンバーが報復のためその店に自動小銃を乱射し店長を殺害、FBIが出動するといった事件があったようです。
彼らギャングのメンバーには二つのタイプがいてウォリヤー(戦闘員)か、ハスラー(麻薬の売人、売春の元締め)として活動しているそうです。
DEATH ROWの社長Suge KnightはコンプトンにあるBloodsのメンバーで、自宅の内部には真っ赤な絨毯を敷き、プールの内側までも赤く塗っていたという。
CRIPSにはICE-TやSnoop Dogg(Snoop Doggは典型的なハスラータイプだそうです。)といったラッパーがおりICE-Tはギャングから足を洗うのに20万ドルかかったと言われています。
また、すべてのギャンクグスタラッパーがギャングだったわけではなく、2pacなどはどちらに対しても中立だったようです。（当初2pacのアルバム「Strictly 4 My N.I.G.G.A.Z.」が赤を基調としていたことから、Bloodsの一員と間違えられたそうです。）
なおBloodsのメンバーにとって"C"という文字は、あくまでもCripsという綴りに含まれる文字であって、その存在を許さない彼らにとって"C"は存在し得ない文字として"C"の代わりに"K"を使う傾向にあります。例えばBloodsのDJ QUIKは、意図的にQUICKの"C"を取り"QUIK"としていす。
しかしロス暴動後、燃え尽きた街の光景、死者の埋葬を目にした時、一部の地域で停戦へ向けての動きが始まり、12月には数々のギャング集団が一堂に会して銃を墓地に埋めたという。そうした流れの中でBloodsとCripsが共同制作したラップ・アルバムが発表され、ICE-Tは握手のイラストをジャケにしたシングル(ガッタ・ロッタ・ラヴ)を発表した。こうした動きにより、統計上ギャング同士の殺人事件は減少したそうだが、今もって事態は深刻らしい。